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相変わらず騒がしい店内で、クラウドは静かにレノへと向き直る。そして、その瞳を見て息を呑んだ。
今までにない程真剣なその目。顔は笑っているが、とても真剣だった。さっき言った「結婚してくれないか」という言葉にいつもの口癖がなかったことからも、レノがどれだけ本気なのかよくわかる。
その真剣な赤い瞳に、クラウドは思わず見惚れてしまっていた。
「クラウド~?」
呼び掛けにハッと我にかえると、かなりの視近距離にレノの顔があった。もう少し近ければ互いの鼻が当たりそうだ。
「ち、近い!」
のけぞりつつ下がって距離をとろうとしたクラウドは、先程落としてしまったグラスを踏んでしまい、バランスを崩して後ろへと倒れそうになった。
「!」
急なことに受け身をとれず、目を見開いた。
倒れる!
そう思った瞬間腰を引き寄せられ、気付くと抱き寄せられていた。
「危ないな、と」
レノのその言葉で自分が一体どういう状態にいるのかがわかると、クラウドの顔は再び赤く染まった。
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