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「~~!」
恥ずかしさからレノから逃れようとするも、腰に回された腕が緩まないため、クラウドにはどうすることも出来なかった。
「レ、レノ。人前だから、離せ」
「クラウドが返事をくれたら離してやるぞ、と」
赤く染まった顔が見えないように俯いたまま必死に言った言葉は、呆気なくレノに却下された。
クラウドはもう恥ずかしくて仕方がなかった。
店内は騒がしいままだ。気付いていない者は多いだろう。だが、実際にいくらかの視線を感じているのだ。その視線が気になって仕方がない。
「返事はくれないのかな、と」
でも、それ以上にレノに対してきちんと答えたい気持ちの方が大きかった。
「……俺、も」
「俺も?」
思い切って俯いていた顔を上げ、レノの目をしっかりと見た。
「俺も、レノとなら……いいよ」
その直後、クラウドはレノに思い切り抱き締められていた。
「おい、レノ…!」
「ヤバイ、マジで嬉しいぞ、と」
クラウドからはレノの顔を見ることは出来なかったが、レノの顔は幸せに綻んでいた。
レノはゆっくりとクラウドを解放すると直ぐ様その手を取った。
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