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「レノ?」
「ティファ、悪いがクラウドはもらってくぞ、と」
「レノ!?」
あまりにも急なレノの言葉にクラウドは慌てた。
「いいわよ。でも、結婚式挙げるまではクラウドをちゃんとここに帰してよね?今日と明日くらいはいいけど」
「わかってるぞ、と」
ティファは楽しそうに笑いながらそう言った。
マリンとデンゼルも笑いながらクラウドを見送った。
「レノ、今日は急に一体どうしたんだ?」
街中を手を繋がれたまま歩く中、クラウドは問い掛けた。急に店内で告白されるわ、抱き締められるわで恥ずかしいことこの上なかった。
「クラウド、今日は何月何日で何の日だ?」
「今日?」
質問を質問で返されて戸惑うが、クラウドは日付を思い出す。
最近は仕事が忙しくてカレンダーを見ていなかったものだから、日付感覚がなかった。
「今日は…12月24日……クリスマスイブ?」
「当たりだぞ、と」
そう、世間では恋人たちが共に過ごす日、クリスマスイブは今日だったのだ。
「…忘れてた」
「だろうな。最近忙しかったんだろ?と」
「まあ、それなりに」
あちこちから配達を頼まれていたのは、おそらくクリスマスプレゼントだろう。配達する本人が気付いていなかったというのは少し面白いものがあるが。
ティファがこの二日は帰って来なくてもいいと言ったのはこういうことだろう。
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