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「今日はクリスマスだから、クラウドと過ごしたかったんだぞ、と。それから…」
そしてレノは歩みを止め、上を見上げた。クラウドもレノに習って上を見上げ、その光景に息を呑んだ。
「これを、一緒見たかったんだぞ、と」
そこにあったのは巨大なクリスマスツリーだった。
「……綺麗だな」
ポツリと呟かれた小さな言葉。
でもそれはしっかりとレノの耳に届いており、レノは笑みを深くした。
「クラウド」
「何だ?」
呼び掛けると柔らかな微笑を浮かべてクラウドは答える。これが二人にとって当たり前になったのは一体いつからなのかなんて、もう覚えていない。
「俺からのクリスマスプレゼントだ。受け取って欲しいぞ、と」
そう言ってレノが懐から出したのは小さな手の平サイズの箱だった。
クラウドはそっと受け取ってレノを見る。
「開けて見てくれよ、と」
コクリと頷くと、壊れ物を扱うような慎重な手付きでクラウドは箱を開けた。
「これ……」
中にあったのは銀色に輝く指輪だった。
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