溺死

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目が覚めると、そこはベッドの中の恋人の腕の中だった。 昨夜の片付けはされているらしく、ベッドのシーツは綺麗なようだ。 一人では広すぎるベッドも、二人では丁度いい広さ。 眠る時は流石にほどいている恋人の長い赤髪を、指に絡めてくるくると巻き付ける。そのまま髪に口付け、指から外した。 視線を上げれば相変わらず穏やかに眠る恋人の寝顔。 ずっと仕事が続いていて、ようやく久々に重なった互いの休み。起きたら二人でゴロゴロするか、久し振りに一緒に買い物に行くのもいいかもしれない。 ただ、今はまだこのまま静かに共に寝ていたい。 いつも愛してくれる恋人に安らかな眠りを。 溺れてしまいそうな愛で優しく包んでくれる恋人を、今だけでも逆に包み返せればいいと思う。 起こさないように、そっと恋人の背に腕を回して自らの体を寄せて抱きつく。 顔を恋人の胸にうずめると目を閉じ、再び眠りについた。 end ―――――――――……… 誰が何と言おうとレノクラだと言い切らせて頂きます← クラ視点で書きたかったんです。
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