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走ったのは五分くらいだ。
ニカッと笑うレノは、恐らくこのままでは風をひいてしまうだろう。コートを羽織っているものの、下に着ているのはいつものダークスーツだ。絶対寒いに違いない。
「馬鹿、風邪ひくだろ!」
そう言ってクラウドは胸に抱えていた包みを裂いた。
「?」
バリバリと包みを破くクラウドをレノは不思議そうに見る。
クラウドはレノに向き直ると、剥き出しのその首にふわりとマフラーをかけた。
「これ…」
「風邪ひかれるよりいいし。それに、アンタへのクリスマスプレゼントだし…」
ほんのりと赤く染まるクラウドの頬は寒さだけではないだろう。
「ありがとうな」
微笑むと、レノはその赤い頬へとキスを送った。
「クラウド、大好きだぞ、と」
そう言えば、顔面に手袋が飛んできた。
「地味に、痛いぞ、と」
手袋を手にとれば、それはクラウドが付けているもののと同じものだった。
「それも、プレゼント」
そう言ったクラウドを、再びレノは抱き締めた。先ほどよりも強く、それでいて優しく。
「マジ嬉しい」
「喜んでもらえたなら、よかった」
クラウドも座ったままレノに体を預ける。
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