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「遅くなって悪い」
「いいよ。来てくれたから。怪我もしてないみたいだしな」
「何?クラウド、心配してくれたのか?」
「…………悪いか」
「いや、嬉しいぞ、と」
レノはまた、嬉しそうに笑う。
「じゃあ、俺からもプレゼント」
「何?」
小首を傾げるクラウドは可愛らしく、レノはまた抱き締めたいという衝動に駆られるも、なんとか理性で押さえ込む。
「開けてみて」
そう言うと、クラウドの手の上に包みを置いた。
クラウドは手袋を外し、先ほどとは違って丁寧に包みを開けていく。
「あ…」
そこに入っていたのは、皮で出来た黒いコートだった。
「前に欲しいって言ってただろ?」
「だけどこれ、前に限定発売した奴だろ」
どうやって…。
驚いているクラウドを見て、レノは成功だと内心ガッツポーズだ。
「あの日、お前に気付かれないようこっそり買ったんだ」
そこにあるのはいたずら成功という笑顔だ。
「……嬉しい」
プレゼントはもちろん嬉しい。しかし、それ以上にレノが自分のためにそこまでしてくれたことの方が嬉しかった。
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