伝えたい一言

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一言伝えられたらどんなに良いだろう 一言だけ 余計な言葉なんていらない ただ一言だけ あの人に 「好き」 その一言だけ…… 心に決めたこと。 今日はその決行の日。 本当は、彼が俺を好きなことを知ってる。だけど、伝えてくれたことなんてないから、恋人じゃない。 せいぜい、仲の良い“オトモダチ”止まり。 彼が俺に言うつもりがないことはなんとなく察してる。俺を困らせないためってわかってはいるけど、俺は彼を好きだから、言ってくれたら頷けるのに。でも、彼は俺の気持ちを知らないから仕方がない。 だから、俺からじゃないと駄目なんだ。 だから珍しく、今日は俺が彼を部屋に呼んだ。 「珍しいよな。お前から誘ってくれるなんて」 「良い酒が手に入ったから。一人で飲むほど味気ないものもないだろ?」 他愛ないことで笑い合って、二人でいられるこの空間が好きだ。でも、俺は今からコレを壊す。 壊して、もっと…。 「なぁ、レノ」 「何だ?」 酒が入って饒舌になってきた俺たち。気分もいい。 少しずつ、彼との距離を狭めていく。 今が良いチャンスだ。 「どうした、クラウド。酔ってきたのか、と」 彼に名前を呼ばれるだけで胸が高鳴る。こんなにも嬉しい。 もっともっと、彼に呼んで欲しい。 酒って本当に凄いと思う。 自分でも、普段の俺は口下手で素直に思いを言えないとわかってる。そんな俺が今、酔いに任せると何でも出来そうな感覚にいる。 「レノ…」 そして俺は目を閉じて、彼に口付けた。 軽いリップ音とともに離れて目を開けると、そこには想像通りの彼の驚いた顔。 「おまっ」 口を開こうとする彼の唇を指で押さえて、俺は微笑んだ。 「好き」 直後、抱き寄せられて口付けられる。 彼からの甘いキスが答えだった。 end ―――――――――……… テスト中に作った産物です。 突拍子に、クラウドからのこんなシチュエーションの告白が書きたくなって、衝動に任せて書きました(笑)
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