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「もしかしてお前、ここ通りたい?」
「は、はい」
急に問われてしどろもどろになりつつも、クラウドは赤髪のタークスにはっきりと言った。
「あー、残念だが、今ここは通行禁止だぞ、と」
「え?」
その言葉に、クラウドは思わず問い返してしまった。
「通行禁止…?」
「あぁ、ちょっとこの外で今ごたついててな。誰も通せないんだぞ、と」
赤髪のタークスは困ったように肩をすくめた。
「寮に行けるの、ここだけだったのに…」
残念そうにクラウドは言って、ふと後ろを見た。
「もしかして、みんながここにいるのも」
「あぁ、外が片付くまで待っててもらってるぞ、と」
赤髪のタークスは大きく伸びをしながら退屈そうに言った。
その言葉を聞いて待っているのは自分だけではないのだとわかり、クラウドは仕方ないとため息を吐き出した。
「お前、風呂上がりか?」
「え?」
振り返ってスキンヘッドのタークスを見た。
「髪が濡れているからな」
「あぁ……これは、シャワー浴びて来たんです」
「シャワー?」
赤髪のタークスがクラウドの言葉に首を傾げた。
「こんな時間まで訓練してた……わけねぇよな」
「自主トレ、してたんです」
「ほぉ、がんばるねぇ」
有りのままを言うと赤髪のタークスに感心されてしまい、クラウドの頬が軽く朱に染まる。そう言われて悪い気はしない。
そのままクラウドは、タークスの二人と話をしていた。
その最中に聞いた彼らの名は、赤髪のタークスがレノ、スキンヘッドのタークスがルードというらしい。
どれだけの時間話していたのかはわからないが、かなりの時間そうして話してしただろう。
話が盛り上がっていたその時、扉の向こうが呼応するかのように騒がしくなった。
「何だ?」
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