初めてのダンジョン

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「ライラ、木刀で魔王を斬れると思うか?」 「サーせん。思いません」  せめて銅の剣を、とぶちぶち話し合っていると、ライラ達の元へ彼等と同い年ぐらいの金髪の少年が近付いてきた。 「やぁやぁ、其処に居るのは学年順位最下層のライラ君じゃないか!」 「んだと!?」  開口一番罵倒され思わず金髪の少年を睨み付けるライラ。その反応が面白いのか、少年はさも愉快そうに高笑いをした。 「ライラ、誰だあいつ」  彼を知らないアランは、小言でライラに説明を求めた。 「同じ剣術科の“エリトリア”。いっつも俺に突っ掛かってくんだ」  長く美しい髪をなびかせ、小綺麗な服を着込むエリトリア。言動はともかく、上品な仕草といい見るからに高級そうな生地で仕立た格好といい、上流層の育ちなのだろう。  腰に下げてあるレイピアもまた、柄と鞘の装飾の細かさから上等な代物だとありありと伝わる。 「ややっ! 学年首席のアラン君じゃないか。そんな馬鹿と何故一緒に居るんだい」 「なっ、てめっ!」 「落ち着けライラ」  今にも殴り掛かりそうなライラを宥めると、アランは改めてエリトリアに挨拶をした。 「大学に行けなくてな。取り合えず2人で賞金稼ぎでもしようと、話し合ってたんだ」 「学年首席の君が!? やっぱり馬鹿と付き合ってると馬鹿になるんだね!」 「ならば、その馬鹿に自ら突っ掛かってくる貴様も同類だな」 「なっ!?」 「おいアラン。それはフォローか? フォローなのか!?」
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