初めてのダンジョン

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「そ、そうだな」  ライラの気迫に圧され、アランは細かい事は気にしないと結論付けると、ダンジョン“コルラト”へと向かった。  シェルダンから30分程歩いた場所にある、屋根から床、そして足場まで覆い尽くす石で構成されたダンジョン。其処がダンジョン、コルラトだった。 「ダンジョンって遺跡みたいだな。あっ、石の間に草生えてる」 「遺跡と言うのも、あながち間違っていない。古代の人間が使わなくなった住処に、モンスターが住み着きダンジョンになった所も多々ある」  コルラトもその1つ。経緯は判らないが、かつては人が住み使っていた集落だという。 「よーし、それじゃ早速中に……」 「待て」  四角い形をした入口から、ダンジョン内に入ろうとしたライラの首根っこを、アランはむんずと掴んだ。 「何だよ! 入っちゃまずいのかよ!?」 「あのな、こういう入口には大抵門番が居る」  そう言うと、アランは杖を構えて石で造られた四角い入口に向けた。中は暗闇が広がっており、何も見えない。 「念には念をだ……」  赤みが掛かった風が渦を巻き、アランの杖先に集まる。  そして  ――放て “鬼火”――  人魂の様な形をした炎の塊が瞬時に生まれ、入口へと放たれた。 「ギィィイィィィ!!」  同時に、耳が痛くなるほどの悲鳴が入口から響き渡る。
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