2人の決意

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「耳元で叫ぶな。鼓膜が破れる」 「いやだって、学年首席だろお前!? まさか試験に落ちたって事は……!?」 「阿呆か貴様」  300人に近い学年の首席であるアランにとって、高等学園の次の教育機関である大等学園、略して大学の1つや2つ受かるのは可能である。ただ……。 「受けた大学は受かった。だが特待生にはなれなかっただけだ」 「特待生か……」 「結果、学費免除ならず。上には上が居たな」  孤児であるアランには、学費は高額過ぎて払える物ではなかった。結果、大等学園に行きたくとも行けないのだ。 「そう言う貴様は、試験全て通らなかっだたろう」  アランの鋭い指摘に、ライラは思わずびくりと肩を震わした。 「やはりな。可笑しいと思ってたんだ。貴様試験終わってから、一度も大学の話しなかったからな」 「うぅっ、お見通しかよ……」  図星を突かれ、青くなった顔をアランから反らすライラ。なんだか泣きそうだ。 「まぁそう落ち込むな。通ろうが落ちようが、学費が払えなければ結果は同じだ。だが職の話も出さなかった所を見ると、そっちも駄目だったんだろう? それはこの先困る」  アランはぽんぽんと軽くライラの肩を叩き、宥める。 「其処で、俺から1つ提案があるんだが……」 「ん?」 「2人で賞金稼ぎをやらないか?」 「賞金稼ぎって、モンスター倒して金稼ぐあれか?」 「そうだ。危険だが始めるに資格も試験も必要ない。誰でも出来る」
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