どうということはない

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カウンターのサイドには、最新機種を含んだ十数台程のスロットマシンが並んでいた。 自動ドアの外側には、此処『カラオケレインボー』の所在をアピールするネオンが、明々と輝いている。 広く設計されたエントランスホールには、両の光が入り乱れ、壁や天井など、あらゆる場所に弱々しく反射していた。 そんな実景を眺め、これで利益が上がるのだろうか? と仙太郎は考えたことがある。 夜勤の従業員は、正社員である仙太郎と、バイト3人を含む四人。 その人件費だけでも、売上を上回っている。 それに加え、光熱費など、あらゆる費用がかさむ。 無駄に派手なネオンも、客入りを考えれば、その役割をさして果たしていないことも明らかだ。
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