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恵にとって、この時間が一日の中で最も落ち着く時間だった。
一日の仕事と家事を終え、肩で息をつく。
しかし、それと同時に最も落ち込む時間でもあった。
考える事は山ほどある。
考えようと思っているわけではないが、気を抜いた瞬間に、次から次へと悩みが脳へと送り込まれて来た。
ひとつの悩みが始まれば、あれもこれもと、考え出せばきりがない。
無意識に灰を落としている煙草は、気付けばいつもフィルターまで燃えていた。
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