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「…四冠やん…おめでとう☆」 『だからぁ~、冗談言うてる場合ちゃうって!その上、気持ちいい?とか訊いてくるんやで?三秒でイッて気持ちいいわけあるかいボケ!!』 ダイニングから襖ひとつで遮られた隣の部屋では、幼稚園になる、1番下の息子が眠っている。 恵は声を出しまいと、笑いを堪えるのに必死だった。 由香からのメールはいつもこんな感じだ。 前置きがなく、携帯を開けば怒っていることが多い。 今回のこともそうだが、知り合った中学生の時からそうだった。 当時から気が強く、弱い部分を見せるようなことはほとんどない。 それゆえか、彼氏の話でノロけるようなことも一切なかった。 そんなことは由香にとって言語道断であるのだ。
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