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だから恵は、由香が愚痴と悩みを披露していても、特にそのことを心配するようなことはなく、素直に笑えた。 気の強い由香にとって、こうして彼氏の悪口を言う事が、愛情表現のひとつでもあった。 興味のなくなった相手の話は、途端にしなくなるのだ。 由香がそのことを、自分で理解しているのかはわからない。 だが少なくとも、20年来の親友である恵はそう理解していた。
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