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「…ぅ、…うう…ぁ」
いや、嫌いや。勝手に、手が動き出しそうだ。駄目。身体が熱い。
唇を強く噛み締めて、自分を抱きしめるように腕を交差させて、目を閉じる。
大丈夫、大丈夫、このまま寝てしまえばいいんだ。熱いけど、アメリカの前で自慰行為などしたくない。
「イギリス、そんなんじゃつまんないよ」
「…っ…知るか…!」
「しょうがないね、君は」
アメリカが壁から離れて、イギリスにゆっくり近づいていく。たったそれだけのことに、どうしようもなく怯える。
近付くな、触るな、来るな、胸の中で拒否反応ばかりがぐるぐると巡る。
「っ来る、な!」
「なんで?」
アメリカ、どうしたんだよ。
俺に媚薬飲ませて何が楽しいんだよ。
何が目的なのか分からない。
なんで何で何でなんでどうして!?
アメリカがベッドに片足を乗せ、ゆるりとイギリスの髪に触れた。
「やだ……っや、ぁ!」
「わあお、媚薬ってすごいね」
髪に触れられただけ。それだけ。なのにその事実だけで、身体にはどうしようもなく甘い快感が走る。
アメリカの手が後頭部に回り、ゆるゆると背中に下りていく。ぞくぞくする、止めろ、駄目だ、アメリカ。
「ア、メリカっやだ、やだ!」「もう、うるさいなぁ」
「ぁ、う、っゃ…!」
額に音を立てて口づけられ、眉、瞼、鼻、頬、耳、とだんだん移動していく。耳を嘗められて感じるなんて、頭がおかしくなったとしか考えられない。
唾液を混ぜながら、熱い吐息をかけられて、耳を犯されてる。
「ん、…ぁ…や、だ…!」
「何が?気持ち良いんでしょ?」
「あ、ひあっ!?」
背中に回っていた腕が俺をアメリカの方へ押しやり、アメリカのひざ頭が俺の分身をぐり、と押し潰した。もう信じられないくらい俺は感じきっていて、痛いはずの行為さえも、快感に変わる。
「や、やだ、駄目、アメリカっ」
「なんで泣いてるの、イギリス」
「っ、ほっといてぁ、くれ…っ!」
「そんな可愛い顔して、ほっとけるわけないじゃないか!」
「あ、やっう…んん!」
アメリカは太腿をズボンの上から緩く撫でて、決して決定的な刺激を与えようとしない。キスもやっと口に移ったのに、アメリカは上あごとか、歯列とか、舌を搦め捕ろうとしてくれない。
痒い。むずむずする。もっと、強い刺激が欲しい。
「ぁ、ん…ふ…っ、ぅ」
もっと、もっともっともっともっと!!
「クス、イギリス我慢できないの?」
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