崩れ去る性愛

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 無数に輝く星も限られた空間からは数えるほどにしか煌かない。そして時にはその星も厚い雲に遮られて地上にその光が届かない夜もある。それでも人は見えない星の向こうに永遠を夢見る。 人との出逢いは時に新たな世界を開き、運命をも左右していく。それは気まぐれな季節の風がもたらした偶然のようでもあり、出逢うべくして出逢った必然の出来事かもしれない。    ケイとの出逢いは数年前のイブだった。友人から紹介されて初めて行くバーで待ち合わせをする。話をして互いに感じるものがなければ、一杯飲んで別れればいいと友人から聞いていた。正直そうなるだろうと思っていたし、期待感もほとんど抱いていなかった。  始まりは友人と飲んでいた時に、酔った勢いで長年妻とセックスをしていないことを打ち明けてしまい、話の延長で女性を紹介するからと勧められる。その時は、酔いにまかせて紹介してもらえるならと頼んでしまった。  しかし時が経過するにつれ後悔もしたし、自己嫌悪も感じたのだが、その後ひと月ほど友人からは何の連絡もなく、酒の席での話の種みたいなものだったと少し安堵する。仮に友人が本気だとしてジョークで済まされないなら、謝罪しなければと思っていた。何故なら彼が紹介すると言ったのは、セフレを前提としていたからだ。
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