第三章

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 一番出たかった授業を逃してしまったので、その後の授業はだらだらと過ごした。内容は大学入試なみに難しく、全く分からなかったが、教師たちもそれを分かって雪をあてることはしなかった。改めて、松田がどんなに嫌な人間かを認識する。  その日の放課後は、ただ疲れていて、夕食を食べるなり、うつらうつらと眠気が襲ってきた。それはあらがいがたい誘惑で、弥生の部屋に着くなり明日の準備もせずに、雪は深い眠りについたのだった。  今夜もきっと、夢をみる。  沈む意識の淵で、雪は確かに確信していた。 、
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