第二章

8/63

789人が本棚に入れています
本棚に追加
/449ページ
 「行くよ!」  痛くないように、気を配りながらつないでくれる手が、優しい。  廊下に出ると、何人かの生徒が歩いていて、二人を観察する。雪は顔を赤くしてうつむいた。  「…ひとつ訊いていい?」  「どうぞ」  自分が神の生まれ変わりだと告げられてから、ずっと考えていたことがある。  「真澄は、誰?―…どの神様なの?」  手をつないで歩きながら彼は、雪は飲み込みが早いな、と笑った。  「アポロン。ギリシャ神話の、太陽と医学の神」  
/449ページ

最初のコメントを投稿しよう!

789人が本棚に入れています
本棚に追加