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「世界には沢山神話があるのはほんと。でも、生まれ変わって、新しく生を受ける国はランダムだ。そこらへんは、普通の人と変わらない―…」
雪は目を見開いた。真澄と手をつないでいるからなのか、不思議ともう目眩はしない。
「人も生まれ変われるの?」
「そりゃそうだな」
返答はあっさりしている。
「俺らが人と違うところは、前世の記憶を持ち越していることと、それぞれの神の能力をもっていること。あとは、おなかを空かせた妖魔に、一生狙われ続けることかな」
この階は、人影が極端に少なかった。静かで、厳か。
もう一つ、考えていることがある。今の自分にとって、おそらく一番重要なこと。
「もう一つきいていい?」
真澄は振り返って、どうぞ、と赤銅色の瞳で促した。
「じゃあ、あたしは誰なの?記憶なんかない…能力も。あたしは、どの世界の、どの神様の生まれ変わりなわけ?」
真澄は、いっそう高らかに笑った。
「それはね」
彼は、目をすがめて笑った。
「全校中が君に訊きたがっている質問だよ」
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