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「回想ついでに、なんかお前の昔話でも聞きたくなったな。昼間は聞きそびれたからな」
「あぁ、確か詫助氏がデリカシーを照り菓子と勝手に漢字変換してしまったあの時のですか……教えません」
「えぇ~」と詫助は上げた顔を永級に移すとその永級は自分の真ん前に居た。
「西将!?」
「なんだか僕、身体が熱いんです……詫助氏」
妖艶な雰囲気漂う永級の唇が紡ぐ言葉。
それに詫助はドキッとし、永級の肩を押さえた。
「逆上せたんだろ。ここの湯は熱いからな、一旦出ようぜ?」
「うぅ、僕の身体は熱いんですぅ~。火照ってるんですぅ~、なんだか今ならどうにかなってしまいそうなんですぅ~」
まるで酔ったように唇を動かす永級。
そんな彼の唇に目が向いてしまった詫助は、頭を振り煩悩を振り払う。
「どうにもならん、それにここは宿だぞ、風呂だぞ」
「人払いはさせていますぅ~。いま宿にいるのは最低限の人だけぇ~ですから、大丈夫ですよ。一人でも二人でヤったら怖くないですよ詫助氏~」
「何を言ってるんだ!」
紅潮した永級は湯船の中で詫助の腹を触る。
ビクッと詫助は体を震わせ、それを永級は「クスッ」と笑った。
「可愛い……。詫助氏、頭に布切れなんか巻くのを止めた方が良いですよ」
「いや、俺の髪って外にはねてるから現役の時は邪魔で、っておい!」
腹に置かれていた永級の手は水中でスゥーッと下に下がっていく。
「ふふふ……詫助氏のお腹、ぼこぼこして面白い。あ、いまへこんだ。おへそですね」
「や、やめろ……西将……」
クリクリとへその辺りをまさぐる永級に力の入らない詫助は、永級の頭を押さえるが思ったように力が入らず、永級に弄ばれ(もてあそばれ)てしまう。
「やっ、西将……!」
「色っぽい……僕なんかよりも断然可愛い……食べてしまいたい」
永級は詫助の首元に唇を添えると、吸いながら舌を沿わせる。
「うぅ……ダメ、西将」
「下克上ですね、まさに。あむっ」
今度は歯を立てて甘く噛む永級。
「あうっ、さい、しょう……」
痛みはなく代わりに淡い快感が首元から、へそからやって来る。
白濁の湯船の中で詫助の雄は勃ち、永級の与える快楽に自身を昂らせていた。
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