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サンタって、白いおヒゲに赤い服。
トナカイに乗ってやってくる。
違うよ……清香のサンタさんはね、少し違うの。
初めて仲居として働いた旅館は、有名な老舗旅館。
右も左もわからなくて、接客の意味さえわからずに、ただただ、押しかけてくるお客さんを流してた。
まるで機械のように……
はんこで押したように……
『さばく』
女将さんはそう言ってた。
そんな毎日に疑問を持ち始めたのは、勤めて半年くらいたったある日。
その日はイヴで、旅館はイベントやらなんやらでごった返してた。
大広間に、これみよがしのサンタが現れ、歌を歌う。
旅館の名前入りタオルをプレゼント。
つまらないイベントだ。
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