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独り暮らしのマンションが見えてきた。 エントランスを出て歩いて30m程のよく立ち寄るコンビニの前ではチープなミニスカサンタの元気な声が響いており、まるで真白な雪景色にサンタクロースが佇んでいるようなベタなデコレーションケーキが特設売り場に並ぶ。 寒い中大変だな~なんて思いながらイヤホンを外し、オートロックを解除する。 チリンチリン… 足元を何かが走り抜けた気がして反射的に見たのだが、そこには何の姿も無かった。 (風…かな…?) エレベーターに乗りこみ5階を押す。 チリンチリン…チリン…チリンチリン… (!!!) 手足の末端から血の気が引き、背中に冷や汗がたらりと流れる感触が分かった。 ぜ っ た い ゆ う れ い (こわーーーー!!ってかムリムリムリムリ!!!) エレベーターの扉が開くと同時に勢い良く飛び出した。走りながらも震える手でバックから鍵を探し出す。 チリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリン (いや!来ないで!!ギィヤーーぁ!!!) ガチャガチャ…バタン! ……… 「…はぁ~~~…」 実は昔から無類の憑いてこられ体質であるこのわたし。気づけば動物やら落ち武者やらを連れてきてしまい、そのたび原因不明の熱でうなされることになるのだ。 あの恐ろしさと言ったら本当にこの世のものじゃないんだからタチが悪い。そりゃあいくら鈍感なあたしでも過敏にもなるというもの。 チリン… 「!!」
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