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「はぁー…。こんな小説の様な格好イイ男なんている訳ないよねー…」
って自分で書きながら言うのもなんだけど。
あ、自己紹介が遅れました。
あたくしイマドキ流行りのケイタイ小説を書いてる*mili*(ミリ)と申します。
と言っても、プロデビューしてる訳ではなく、アマチュアで活動してるんだけどね。
でもでも、閲覧数もそこそこあるし知名度もある方だと思うんだよね。
うんうん。
って一人で悦に入っていると、背後から気配を感じる。
「綿梨(ワタナシ)さん。ちょっとお話しがあるのですけど…」
少し遠慮がちに声を掛けてきたのは、同じクラスの朱峰(アカミネ)由紀乃(ユキノ)さんだった。
見た目清楚な感じなんだけど、どこか儚気というか…病弱な感じというか…。
まぁ普段一緒につるむタイプではないかな。
そんな彼女から声を掛けられれば、ビックリもする訳で。
因みに綿梨は私の本名だったり。
「えーっと……何かな?」
慌ててケイタイを閉じながら、先を促す。
「あの…出来れば教室じゃなくて…えっと……誰もいない所がいいんですけど。」
「ん?じゃあ移動する?いいよー。」
軽く返事をし、ケイタイをポケットに突っ込み座席を立つ。朱峰さんは先導するように教室を出て、屋上に繋がる階段へと向かう。
確かに、この時間帯の屋上は誰もいない事が多い。
そして規則上では立入禁止だったりする。
よほど聞かれたくない内容なのか…。
それともイジメの呼び出しか。
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