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その日は、
夏休みの前日で、
喜ぶ者、補習で暗くなる者、
様々な友人の顔が見えた。
もちろん、自分は、
決して頭は良くなかったが、
間一髪で補習の波から
逃げられていた。
簡単にいえば、
補習メンバーを決める際に
補習枠という、
補習人数を定め、
成績の悪い順に補習メンバーを
決定する。
各クラス2名ずつ。
これは、クラスが多い学校の
特色かも知れないが…。
ちなみに、
俺はクラス3位だから、
ぎりぎりセーフだ。
(もちろん後ろからだが…。)
そんなこんなで、
学校は終わり、
駅から電車に乗った。
ここまでは、
普通の高校生活だった。
たぶん…。
しかし、ここからが、
自分の高校生活、
いや、自分の人生を変えるとは
一つも思う筈がなかった。
電車内のことだ。
その日の電車内は、
珍しく空いていた。
空いていたと言うより、
ガラガラだった。
もちろん、ガラガラと言っても
お年寄りやサラリーマン、
小学生くらいの子供だって
乗っている。
俺は、その小学生、
いや、その少女に見とれて
しまった。
もちろん俺はロリコンでは
ない。
うんマジで。
しかし、その少女に
やはり見とれてしまった訳で…
その少女は髪はセミロング、
服装は、どこかの私立学校の
制服、黒いサイドバックを
さげており、
顔は、その年代らしさの
可愛さをもっていた。
少女も、さすがにこちらに
気付いたのか、
顔の方向は違っても、
目線はこちらに向いていた。
その様子を見て、
俺は、すかさず別方向を向いた。
しばらくして目的の駅まで、
もう少しといったところで、
少女に声をかけられた。
少女
「あの…次の駅で、
一緒に降りてもらえますか?」
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