雪が降るらしい

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『――都内では雪が降り、冷え込む寒さになるでしょう』 ―雪、か…。 慌ただしく身支度をしながら、朝の日課である天気予報を見て「雪」という単語がやけに耳についた。 「行って来ます…」 靴を履いていると、母さんが近寄ってきて「行ってらっしゃい遥斗」と送り出された。 あまり家族とは話をしたくない。そのせいか、何気ない挨拶でさえ素っ気なく感じる。 家の門を出て暫く行ったところの電柱にもたれ掛かった彰が薄っぺらい鞄を抱きしめて、器用に立ったまま寝こけていた。 無意識に早足だった足を止め、気づかれないよう慎重に忍び足で近づいた。 「…ぷっ…まぢで寝てる…」 手が触れそうな近さになっても、起きる気配はない。 .
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