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「あ、起きた。」
「~っ!うわっ、ぷ!あーびっくりした~」
ほんとうにびっくりしたらしい彰は落としてしまった鞄を拾い、慌てて自転車を立て直す。
最近、毎朝彰はこの調子だ。こいつのことだから、夜更かしでもしてんだろうと始めは思っていたが、こうも毎朝続くと心配にもなる。
「脅かすなよな!起こすなら普通に起こせっ」
「起こすも何も、こんなところで寝てんなよ…」
麻生の嘆きをよそに、彰はいつもの調子で腕にだらし無く絡んでくる。
「おっは~だっちゃッ遥きゅん!キュンきゅんっ」
「………………おはよ。」
―普通に挨拶できねーのかこいつ…。
どこぞのメイド喫茶よろしく擦り寄って来る彰を引っぺがしながら、「高校生にもなって恥ずかしくないのか」と遥斗は内心頭を抱えていた。
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