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「麻生くん?あ、やっぱりここに居た!」
ポコポコと水槽で空気ポンプの気泡音が唯一響いていた物静かな生物室。
放課後には必ず篭ってミドリガメやら金魚を観察している遥斗の居場所である。
「あそーくぅーん。」
「…………。」
「ねぇ、何してるの?」
空気を読むことをしないのか出来ないのか、クラスメートであるギャル系の女子がずかずか無遠慮に近付いてきた。
「……煩い。金魚が驚いて逃げんだろ。」
「あ、ごめん…」
冷たく突き放しても、へこたれないのがこのKY女の底知れぬ執念だ。そんな体で女は無謀にも遥斗の近くにあった椅子に慎重に座った。
健気にも遥斗の言い付けを守り大人しくしているクラスメートを横目で一瞥する。
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