語られない物語

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「隊長、試しに戦車を走らせてみませんか?」 しばらく通信手と話していると、暇そうにしていたコンラッドがギュンターに言った。 「・・・コンラッド、基地内は許可が無いと走らせられないぞ」 「もう一つ言っておくが、隊長ではなくギュンター隊長と呼んでくれ」 「隊長だけでは他の隊と区別が出来ない」 「通信手も同じように呼んでくれ」 そうギュンターが言うと―。 「分かりました」 そうブラウンは返事をした。 「前と違ってめん―」 「何か言ったか?」 「いえ?」 「何も言ってませんよ」 コンラッドは口笛を吹きそうな口を作りながら、ギュンターに向かって言った。
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