語られない物語

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Ⅳ号戦車の点検が終わる頃・・・。 太陽は地平線の彼方に沈みかけていた。 「今日の作業は終わりだ」 「明日は砲撃の訓練が行われる予定だが・・・」 「その前に装填手と射手が基地に到着する予定だから、午前8時までには戦車の前に集合していてくれ」 「以上、解散!」 そう操縦手と通信手に言うと、ギュンターは戦車から降りて街へ向かった。 いつも以上に街には活気が溢れており、教会の前では子供達が賛美歌を歌っている。 「(そういえば、今日はクリスマスイブだったな・・・)」 子供達から少し離れた場所で、ギュンターは綺麗な歌声に耳を傾けていた。
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