587人が本棚に入れています
本棚に追加
/332ページ
「兄さん?」
立ったまま賛美歌を聴いていると、背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おお」
「ハインツじゃないか」
「こんなところに居て良いのか?」
そうギュンターがハインツに尋ねると―。
「久しぶりに長い休暇を貰ったから、兄さんに会いに来たんだ」
そうハインツは言った。
「おいおい・・・」
「久しぶりの休暇なら大切に使え」
「弟に会えるのは嬉しいが、どうせなら母さんの所へ行け」
そうギュンターが言うと―。
「そう言うだろうと思って、最初に母さんの所へ行ったんだけど・・・」
「1人じゃ寂しいだろうから、クリスマスくらい一緒に居なさいって母さんに言われたよ」
そうハインツは言った。
最初のコメントを投稿しよう!