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「大学の同窓会があるらしく、娘と一緒にミュンヘンに行っています」
「帰るのは明日の朝だと聞いています」
空から降ってくる雪を見ながら、ハインツは淡々と言った。
「(一人だけ置いてけぼりか・・・)」
「(寂しいクリスマスだな・・・)」
そんな弟を気遣うように、ギュンターは本音を心の中で呟いた。
「お待たせしました」
何か言わなければと話題について悩んでいると、ウェイターが料理を持ってきた。
「美味しそうだな」
半ば強引に話題を切り換えて、ギュンターはハインツに言った。
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