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楽しく雑談しながら料理を食べていると、ハインツが腕時計を気にし始めた。
「誰かと約束でもしているのか?」
ギュンターがハインツの腕時計を見ながら尋ねると―。
「・・・帰りの列車が1時間後に出発するので、それまでにレストランを出なければなりません」
そうハインツは答えた。
「そうか・・・」
「もう少し話していたかったのだが、時間が無いのなら急がないといけないな」
そうギュンターはハインツに言うと、急いで残っていた食べ物を口に運んでいった。
「兄さんは焦らなくて良いんですよ」
「私だけが列車の時間に遅れそうなだけで・・・」
そうハインツが言うと―。
「何を言っている」
「弟の見送りくらいさせろ」
ギュンターは軽く笑いながら弟に言った。
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