砲撃訓練

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午前6時15分 ヴォォォォォォォォンンン マイバッハの水冷エンジンが、鈍い雄叫びと共に動き出す。 「雪の影響で列車が動かなかったらしく、2人は7時の汽車で基地に到着する事になりそうだ・・・」 早朝に電信員から受け取った紙を片手に握りながら、そうギュンターはコンラッドとブラウンに言った。 「訓練の初日に到着するというだけでも、前代未聞なのに―」 「列車が遅延するなんて・・・」 「・・・実戦が不安になります」 珍しくコンラッドが心配そうに言った。 「他にも実戦経験が無い兵士が居るのだから、2人だけを責める事はできない」 「それに、今から訓練で腕を鍛えるのだし―」 「実戦までには、使える兵士に生まれ変わっているだろう」 ギュンターはコンラッドに言った。
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