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「みやび、いたぁ」
ウォーターから貰った水晶玉をぐいと覗き込めば、ぼくとお揃いの黒髪が見えた。やっぱり、シュガーのおうちに居るみたい。
ぼくのおうちに来てほしかったけど、おんなじ世界の空気を吸ってるだけでこんなに空気が美味しいのに、おんなじ部屋に居たらどうなるんだろ。
…まぁ、みやびとずぅっとちゅーしたまんまでいて、みやびと息を交換し続けるのも素敵だけど。
「みやび。可愛いみやび、ぼくのみやび」
シュガーとソルトは真っ白だから、みやびの黒がすごぉく綺麗。みやび。今すぐ会いに行きたいけれど、ぐっと我慢、我慢。
みやびはシュガーのおうちに泊まるみたいだなぁ。ぼくのおうちにお泊まりすればいいのに。
そしたらキャラメルのロープとマシュマロのベッドで、ゆっくりゆっくり壊してあげるのに。
「みやびー…」
「こら。あんまり見ると、ソルトに感づかれますよ。あいつは鋭いですから」
ぱっ、と、水晶玉に映っていた世界が消える。いつの間にか傍にいたウォーターを睨むと、しれっとした顔で言われた。
「私は、このまま水晶玉を割っても構わないんですよ?」
それを言われたら、ぼくの負け。
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