笑っていて

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ふと目を覚ますとそこは映画館だった 何故自分がここに居るのかは分からない 座席を見渡せど自分以外に人は無く スクリーンにはただ映写機から照らし出される無機質な光のみが映る 『何故自分がここに居るのか』 いくら頭を悩ませてもその答えは出てこない ただカラカラと映写機が音を立て 薄暗い映画館をその光でうっすらと照らしているのみ……… 「お爺さん、始まるよ?」 不意に声をかけられ小さく心音が跳ねる 先程まで誰も居なかった隣の席に一人の少年が腰をかけている あどけなさの残る顔立ちで大体10歳~12歳程 何処か見覚えの有る顔をした少年だった
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