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ゆっくり。 ゆっくり。 足を踏み出す。 甘い甘い香りのする 『立ち入り禁止』 の其の向こうへ。 夜の帳。 華に群がる穢れた蝶たち。 声と苦悩。 明けぬ夜と半透明な朝。 愁いを帯びた笑いに 心が揺れて。 握り締めた紅。 あ。 それは、 貴女の簪が折られた日。
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