─Prologue─

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  悲壮感漂う その中に、 清廉なる旋律が響き出した。 それは唄…─── かの国の者達には懐かしきそのしらべ… 勇者の回復に務めていた僧侶等も思わず手を止め、聴き入っている。 美しくも、 切なく響くその唄… 命の重みと、 廻るその喜びを紡ぐ唄… 俯いていた人々は皆顔を上げ、ただ一点に視線を注いでいる。 国王はその唄い手の姿を見やるやいなや、 途端に涙を流しこう呟いた。 「おお…  ローラよ…!」  
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