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ヴァンが懐から引き出したそれは、彼の手の上で鈍い光沢を放つ。
「まさか……拳銃か!?」
「……あぁ……。わしの頭を打ち抜いた……な……。」
細身の銃身、おそらくは6インチ程度だろうか。
漆黒の色をしたその銃にはスイングアウト式の回転式弾倉、いわゆるリボルバーが搭載されおり、装填数は6発程のようである。
グリップ部には英文字で『Maria』と刻印され、さらにグリップとリボルバーの間の余剰部分には綺麗なハートマークが刻まれている。
何故だか異常に驚愕しているジェイドを視界の端に捉えつつ、ヴァンは懐かしそうに銃身を撫でた。
「そうか……お前も来たんじゃの……マリア……。」
憂いを帯びた目でその拳銃を眺めるヴァンに、突如ジェイドがつかみかかった。
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