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「世界が平和になっても、マリアはずっと手放さなかった。そしてわしが自らの命を絶つ時に使ったのも……このマリアじゃった。皮肉なもんじゃ。マリアと名付けられてから最初に撃ったのが我が父で、最後に撃ったのがこのわし自身だとはのぅ。」
ヴァンは相変わらず憂いを帯びた目をしたまま、カッカと高らかに笑った。
「…………先程、頭を撃ち抜かれたと言っていたが、お前……自殺したのか。理由は問わぬがな。」
「言ったところでどうせ理解できまいな。さて、マリアについてはこんなところかのう。」
ジェイドは顎から手を離し、ヴァンの手からマリアを強引に奪い取った。
「ふぅむ……。やはり拳銃の魂であるとしか考えられぬが……。」
ジェイドはマリアを眺め回しながらしばらくぶつぶつ言っていたが、やがて諦めたかのようにマリアをヴァンの手に戻した。
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