9人が本棚に入れています
本棚に追加
「私では解決できぬ。神の元へと向かうぞ。」
「……ほぇ?」
ジェイドの言葉に呆けた声を漏らすヴァン。
「本来ただの魂が神にお会いできるなどあり得ぬことだが、今回は特例だ。扉を開くから少し下がっていろ。」
当惑するヴァンを完全に無視して、ジェイドは再び何かぶつぶつ呟き始めた。
ヴァンは戸惑いながらも言われたままにニ・三歩後ずさる。
「はぁっ!」
ズズゥゥゥン…。
それからまもなく、ジェイドが謎の奇声を発したと同時に、突然彼らの前に両開きの巨大な扉が現出する。
その扉は誰が開けるでもなく、彼らを迎え入れるかのように静かに開いた。
「なんじゃこりゃああぁっ!?」
「やかましい。さっさと行くぞ。」
絶叫するヴァンの襟首をしっかり掴んで、ジェイドはその扉へと入って行く。
颯爽と歩いて行くジェイドの後ろ姿と、絶叫しながら引きずられて行くヴァンの姿とが、光の中へと包まれていった。
と、同時に扉は閉まり、何事も無かったかのようにその扉もゆっくりと姿を消していった――。
最初のコメントを投稿しよう!