第一章~マリア~

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「私では解決できぬ。神の元へと向かうぞ。」 「……ほぇ?」 ジェイドの言葉に呆けた声を漏らすヴァン。 「本来ただの魂が神にお会いできるなどあり得ぬことだが、今回は特例だ。扉を開くから少し下がっていろ。」 当惑するヴァンを完全に無視して、ジェイドは再び何かぶつぶつ呟き始めた。 ヴァンは戸惑いながらも言われたままにニ・三歩後ずさる。 「はぁっ!」 ズズゥゥゥン…。 それからまもなく、ジェイドが謎の奇声を発したと同時に、突然彼らの前に両開きの巨大な扉が現出する。 その扉は誰が開けるでもなく、彼らを迎え入れるかのように静かに開いた。 「なんじゃこりゃああぁっ!?」 「やかましい。さっさと行くぞ。」 絶叫するヴァンの襟首をしっかり掴んで、ジェイドはその扉へと入って行く。 颯爽と歩いて行くジェイドの後ろ姿と、絶叫しながら引きずられて行くヴァンの姿とが、光の中へと包まれていった。 と、同時に扉は閉まり、何事も無かったかのようにその扉もゆっくりと姿を消していった――。
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