~謁見~

6/11
前へ
/34ページ
次へ
「とにかく……彼らもれっきとした天界の住人であるということだ。」 「まさか宇宙人とは……。ちなみに全宇宙の星々と言っておったが、どのくらいあるんじゃ?」 「そうだな……。」 ジェイドは考え込むように顎に手を当て、宙を仰ぐ。 「専門ではないので詳しい数はわからんが、大小合わせて軽く数百万はあるだろうな。」 「数百万!?その数百万の星々から送られる魂が全部この天界に来るのか!?」 「そういうことだ。」 ヴァンは愕然として当たりを見回した。 先程見た巨大な宮殿、その反対側を振り返れば、果てなき地平がうっすらと見える。 上を見上げれば地球と何も変わらない真っ青な空。 ただ違うのは雲も太陽も存在しないこと。 天界に夜があるのかはわからないが、あったとしても月も星も無いのだろうか。 今までとは全く違う環境、違う世界。 知らないことだらけのこの世界で、ヴァンは自分が妙にちっぽけに思えた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加