9人が本棚に入れています
本棚に追加
ヴァンは立ち上がると宮殿に向かい歩き出した。
「これ!……あーっと……若いの!早く行くぞい!」
「……ジェイドだ。」
急に思考を180度転回したヴァンを不思議に思いながらも、ジェイドもそれに続く。
宮殿の入り口が近づくにつれ、異形の天使達とも何度かすれ違った。
近くで見れば見るほど、人間とはかけ離れている彼らに、多少の抵抗を感じながらもヴァンは歩みを続ける。
そこでヴァンはあることに気づく。
「のぅ若いの。彼らが着ておる服はあんたのとは違うんじゃのう。何と言うか……軍服みたいじゃが……。」
「あれは我々天使の制服だ。君の言う通り要は軍服だな。」
詰め襟で肩の張った長袖の服。
襟部分には階級か何かを表すと思われるバッジがいくつかつけられ、右側の襟から右手の脇にかけて謎のチェーンがかけられている。
ポケットは胸に一つ左右の脇腹に一つずつあり、ボタンは前方に三つ、袖に二つずつ。
上半身は腰の上あたりまでしか無く、ベルトが見えている。
もんぺのように微妙な膨らみとゆとりを持ったパンツは足首の上あたりで黒いブーツの中に入っている。
素材はおそらく地球の軍服と同じもの、色は白地に金ボタンである。
そして背中には巨大な金の十字架が刻まれていた。
最初のコメントを投稿しよう!