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「む?あれは……。」
絶句するヴァンの隣で、ジェイドが唐突に呟く。
「なんじゃ?どうした?」
ジェイドはヴァンの問いには答えようとせず、早足で歩き出した。
その前方には一人の男、その男の肩をジェイドはポンと軽く叩いた。
「ん……?おぉ!ジェイドじゃねぇべか!」
「久しぶりだなデュナス。任務に出ていると聞いていたが、もう戻っていたのだな。」
デュナスと呼ばれたその男は、振り返ってジェイドと向き合った。
「いやぁ~ほんっど、ひっさしぶりだべなぁ~!最後に会ったのが……ほれ……えーと……。」
「3年と2ヶ月前だ、デュナス。」
「んだんだ!一緒に任務に出て以来だべな!いやぁ~なっつかしいべ!」
妙に訛った口調で話すその男は、どうやら地球人では無いらしい。
なぜなら、彼の顔には巨大な口がついているのみで、目も鼻も存在していない。
さらに言えば、本来一対しか存在せぬはずの腕が、彼の場合肩からももう一対伸びているのである。
常人に比べて、かなり大柄なデュナスの巨大な口は、楽しそうにその歯を覗かせていた。
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