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問われた金髪の男は何か珍しいものでも見るかのように、男を見た。
「ここがどこか…だと?そんなもの天国に決まっているではないか。」
「……天国……?」
思いもよらぬ返答にきょとんとする男に対し、妙に強い口調で金髪の男は付け加えた。
「そう天国だ。お前は死んだのだ1435782241547541751号。」
しばしの静寂がその場を包んだ。
衝撃のあまり眠気が吹き飛び、はっきりとしてきた男の視界に、改めて金髪の男の姿と周りの景色が映る。
だだっ広い真っ白な空間にどこかで見たことのある形の箱が無数に並んでいる。
よく見れば彼以外にも何人かの人々がその箱の上に腰掛けていた。
問題のその男は、腰あたりまで伸びた金色の長髪に整った顔立ち、白い衣服をまとっていることまでは、先程見たものと大した相違は無かった。
だが、最も大きな相違は、先程まで白いマントだと思っていたもの。
それはマントなどでは無く、男の背中から生えた巨大な翼だった。
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