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「つ……翼が!?」
男の叫び声が静寂を割った。
「ん?あぁ、これか。私は天使だからな。翼くらいはある。それよりも…。」
「て……天使……!」
呆気にとられる男を完全に無視し、金髪の男……もとい自称天使は話を進める。
「1435782241547541751号では呼びにくい。名は何だ?」
男は一瞬戸惑い、答えた。
「ヴァン……。ヴァン……ホーク……。」
自らの名を口にした途端、その男……ヴァンの脳内にかつての記憶がありありと蘇った。
第三次世界大戦のこと…。
世界国家のこと…。
そして自ら命を絶ったこと…。
全てを思い出し、ヴァンは遂に『死』を実感した。
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