一章

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時はこの世界に置いて太陽暦990年――― 世界は広大な大陸を軸に始まる。 長く大陸を支配していた王朝が崩れてから数百年もの歳月が経った今では四つの国が台頭していた。 大陸北東部・東部の大山岳地帯を支配する「洞国」 大陸北中部・西部全域を治め、数百を超える部族から連なる「錬国」 大陸南部の農業地帯を支配する「慶国」 そして大陸中央周辺を治め、三国の均衡的役割を担っている「砂羅国」 砂羅国は建国当時から封鎖的な外交体制の元で永世中立国家として三つ巴の戦いには参戦しなかった。 残りの洞国・慶国・錬国は数世紀もの間一度足りとも国交を正常化する事無く断絶した関係を保ち、合戦に明け暮れている。 しかし遂に砂羅国皇王の才玄の提唱によって3ヶ国間の和平交渉が締結した。
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