二章

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―錬国領・斉梁村― 錬国の辺境にありながらも慶国との国境沿いの重要拠点でもある斉梁村は温和派が治める領地である。 人口は数百にも満たない村だが領主の道玄の元、数多くの高名な剣士を輩出している。 道玄を開祖にした開明一刀流剣術は錬国内でも国主自らが褒め称える程の流派であり、国主近衛兵にも開明一刀流を学んだ者が多い。 ???「ハッ!………ハッ!………ハッ!」 斉梁郊外の森を1人の青年が風のように走っていた。 この青年の名を朔と言い開明一刀流開祖の道玄の1人息子である。 僅か15歳の時に国主の前で開明一刀流を披露し、国主自らが自身の剣を与えた程の腕前である。 18歳になった朔だがまだまだ無邪気な子供だった。
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