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「う、嘘でしょう……」
しくしく、と誠に悲しそうに泣きなさる。健介は流石にいたたまれなくなり、大仰に頭を下げた。
「ご、ごめんなさい!」
そこで。初めて少女の白い眼が健介の姿を映した。しばらく思案するように沈黙し、それから、キッと強い睨みを入れられる。
「馬鹿!」
最初は罵倒の言葉から始まり、
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ッ!!」
連呼である。初対面のおにゃのこにそこまで言われ、マゾッ気もない健介は激しく落ち込んだ。
「責任とって!」
き、きた。思わず身体が強張る。このまま怖いお兄さんのところにつれてから、あれやこれやと巻き上げられるのだ。こうなったら、グラップラー菜月に全てを委ねようか、なんて。健介はこの間二秒でそんなことを考えた。
が、彼女の要望は予想の斜め上を時速百五十キロで通り抜けることになる。
「私が落とした、七つの大罪、Seven's Sinを、責任持って捕まえてきなさいッ!」
……。
……ワッツ?
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